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MATCHBOX Compilation Vol.2【EMOTIONAL】

2007年、デザイン専門学校の卒制で架空音楽レーベルのコンピレーションCDという設定で3つのCDジャケットデザインを作成。 色々な音楽を聴き漁っていた当時、全体の流れや曲の繋ぎを意識しながら好きな曲を詰め込んだリストを作った曲選びの過程が、デザイン制作自体よりも楽しかったのを思い出しながら笑、今もお気に入りで聴き続けているプレイリストを晒します😇 (卒制発表スライドより抜粋) =================== レーベル名: MATCHBOX レーベルコンセプトは「温故知新」。 その時々のメインストリームの流行り廃りに振り回されることなく、時代を越えて愛され続けられている先人たちの音楽をリスペクトし、そういった音楽をベースにしながらも、回顧主義には走らず、そこから新しいものを体現しようとしているようなバンド、ミュージシャンの音楽をリリースしていく --------------------------- #コンピレーション vol.2「EMOTIONAL」: --------------------------- レーベル所属アーティストによるコンピレーションの2枚目。『emotional』のコンセプトは『心で聴く音楽』、歌詞をじっくり味わってほしい曲、切ない気持ちや行き場のない感情にそっと寄り添うような、夜に静かに浸れるような、メロディアスな曲を中心としてまとめる。 =================== いわゆる「エモさ」を感じる曲を集めたけど、「エモい」の定義は割と人それぞれらしく、当時これを聴いてもらった友人の何人かから、エモいってこういうのじゃなくない?みたいなことを言われて少し凹んだりした。🥲 一方で、卒制の後に、下北で開催されたCDジャケットデザイン展みたいなイベントに作品として出展した時に、この作品への来場者からのコメントで「選曲が素敵!」っていうのがあって、なんか嬉しかったな..🥺 3作の中では、個人的にも「一耳惚れ」して好きになった曲が多数入ってるのがこのアルバム。

  1. Anesthetic - matryoshka

    2006年結成、トラックメイカーSen、ボーカルCaluのユニット、matryoshka(マトリョーシカ)。 エレクトロニック、ポストロック、アンビエントとか紹介されがちだけど、ジャンルはともかく、自分はこの曲の壮大かつ幽玄なイントロと、そこにスっと入ってくる音楽と一体化した儚げなボーカルに、初めて聴いた時に感情を持ってかれて、泣きそうになった。 出会いは、当時愛読誌だったCOOKIE SCENE。 ¥800くらいで、付属のCDがサンプルじゃなくてフルでトータル15から16曲くらい入ってて、洋邦問わずこの雑誌で知ってハマっていったアーティストは数知れず・・。 Anesthetic、麻酔薬って意味なんですね。 サビの歌詞、日本語訳すると「あなたのものなのに、私は壊れていく/私たちは二人ともひとりぼっち」という、寄り添いながらも孤立している、痛みのある歌詞が、優しく包み込むような音楽でくるまれている。 当時は自分の恋愛(というより失恋)的な事情も勝手に重ねて、聞いてヒリヒリしながらも癒されるこの曲にどハマりしていました。

  2. 2006 - Hello Saferide

    スウェーデンのtwee popバンド、Hello Saferide。 この曲との出会いもCOOKIE SCENE。 高校生の頃にボニーピンクのHeaven's Kitchenにハマってトーレヨハンソンを知り、スウェーデンのポップミュージックへの親和性があった自分にはドンピシャに刺さりました。 なぜタイトルが「2006」かというと、2006年の新年の抱負の歌だから。 2006年の元旦の朝、New Yearパーティーの残骸、床に散らかったパーティーグッズや飲みかけのボトル。 ろくな一年にならなそう、という新年の幕開けから、今年はちゃんとしようと続く新年のやることリスト、他愛もないリストの中で、一番上に来るのは、まだ告げていないあなたへの想い。 ポップでキャッチーなメロディながらも、不思議と切なさを感じさせる理由が、歌詞の意味を調べてからちょっと納得☺️

  3. Aguas de Marco (Joga Bossa) - Smoke City

    この曲との出会いは、友人から借りたオムニバスCD「La Musique de Paris Derniere, Vol. 1」。 このオムニバスはカバー集的な感じで、2曲目の「Can't Take My Eyes Of You」がかなり良いんだけどなんか聴いたことがある声だな・・?と思ったらZARDだったり、色々と面白い出会いがあったアルバムでした。 この曲Aguas de Marco、日本語にすると「3月の水」は、元はアントニオ・カルロス・ジョビン作、エリス・レジーナとのデュエット版が決定版として有名なボサノバの名曲中の名曲。 この曲を、ブラジルにルーツを持つ女性シンガーNINA MIRANDA・DA LATAのCHRIS FRANCKからなるユニットSmoke Cityがトリップホップ寄りのボッサで再解釈したのがこのバージョン。 偶々だけど、この卒制の架空レーベルMATCHBOXのレーベルコンセプト「温故知新」とぴったりな選曲だった。笑 割とポップな楽曲ではあるけど、イントロの電子音の響きがなんかとても切なくて個人的にはとてもエモく、夜にしっとり聴きたくなる一曲だったのでチョイス。 所々サンプリング的に入ってくる緩めの日本語のセリフがいい味してるけど、これは一体どういう経緯で入ったのかがとても気になる。。🤔

  4. I'm sorry that the kitchen is on fire - Tamas Wells

    オーストラリア出身のTamas Wellsの2ndアルバム「A Plea En Vendredi」からの一曲。 Tamas Wellsとの出会いは、大学時代の洋楽好きな友人からのおすすめでアルバムを借りたのが最初。Tamasの歌声は、地元のプレスでは「ニック・ドレイク・ミーツ・シガー・ロス」と地元のプレスで評される、と、ジャケットの帯かライナーノーツかでみたのを覚えている。 そういう既存のアーティストと比較する批評はおいといて、当時初めて聴いた時、そのあまりにも美しい楽曲と声に感動したのは事実。 アルバムはInpartmaint / Liricoというインディーレーベルからのリリースだったんだけど、このアルバムリリース後に来日ツアーがあるという情報を得て、レーベルのサイト覗いてみたら、当日ボランティアスタッフ募集っていうのを見かけまして。会場が金沢21世紀美術館だったんだけど、元々この美術館に行ってみたかったのと、Tamasのライブみたい・・!のダブルパンチで背中を押され、このスタッフに応募し、金沢に行ってきました。 スタッフとしての参加だったけどライブもちゃんと楽しめたし、インディレーベルの手作り運営な感じでアーティストとの距離がとても近く、ライブ後はTamas本人と奥様とスタッフ数人で打ち上げ。繊細な歌声から想像してたのとはちょっと意外?な、いかにもオーストラリアンな豪胆で気さくな人で、とても楽しかった。当時自分が知っていたオーストラリアのアーティスト、Her Space HolidayやArchitecture in Helsinkiの話をしたら喜んでくれた。 好きなアーティストと一緒に酒を酌み交わすという、自分にとって最初で最後の経験、最高の夏の思い出。

  5. Pam Berry - The Shins

    5,6曲目は、立て続けにThe Shinsを選曲。 アルバム「Wincing the Night Away」でも3曲目、4曲目でこの2曲の並びなんだけど、アルバムでもこの 「Pam Berry」が次の「Phantom Limb」のイントロのような感じでほぼ繋がってるので、そのまま2曲持ってきました。 アメリカ・ニューメキシコ州アルバカーキインディーバンドThe Shins、これは3作目のアルバムで、レーベルはあのニルバーナを輩出したSUB POP。 2007年に出たこのアルバムは発売週にビルボード2位を獲得、同年にフジロック出演!この時のフジロック、ホワイトステージ見にいったんですよ・・めちゃくちゃよかった・・・!!

  6. Phantom Limb [OFFICIAL VIDEO] - The Shins

    5曲に引き続きThe Shins,アルバム「Wincing the Night Away」から「Phantom Limb」。 Phantom Limb=ファントム・リム(幻肢) 事故や病気で手足を失った後も、その失われた部位がまるでまだ存在し、感覚や痛み(幻影痛)があるように感じられる現象そんな意味だったのか・・ひえ・・😱 2007年のフジロックのホワイトステージ、たしか夕方くらいの時間、小雨が降ってたような記憶。ほぼ最前確保して見れたんだけど、このファントム・リムのイントロがなった瞬間の鳥肌、高揚感は今でも思い出す・・。 シンプルにメロディだけで好きだったこの曲、歌詞の意味あんまり分かってなかったんだけど、今回せっかくなので調べてみたら解像度がとても上がった・・。 --------- 作詞のJames Mercer本人がBillboardのインタビューで「小さな最悪の町で生きる、高校生の若いレズビアンカップルについての架空の物語」と説明してた。英語詞だけを見ると全体的にかなり抽象的だけど、意図的に遠回しな表現を使っているらしい。 サビの印象的なフレーズ、 「月曜の頭を叩かれると、代わりにゾンビが二体歩き出す」は、学校がある日は魂を切り離して、抜け殻で登校するイメージ。 「この町は時間を割く価値もない」「そびえ立つものをまたいで越えていく、繋がりのないまま」。閉塞と、それでもいつか出ていくという静かな決意。 そしてMVは、ジャンヌ・ダルク、スペインによるアステカ帝国征服、ドナー隊の物語を、子供たちとバンドメンバー自身が演じるという構成。 一見バラバラに見えるこれらの歴史的な出来事、共通項としては「異端として殺された少女」「押し潰された共同体」「行き場を失った旅」。つまり曲のテーマである「普通と違うせいで迫害される者たち」を、歴史上の悲劇の"学芸会"として子供に演じさせている、という構図。 そして、James Mercer自身が 「この歌詞の多くは、実は自分が育つ過程で感じた疎外感を文脈を変えて書いたものだ」とも言っている。 歌詞が直接的に理解できなくても、歌に込められた疎外感の質感は、なんとなく伝わってたような、それがこの曲を好きになった理由かな、と思ったりしました。

  7. Different Names for the Same Thing (‘Directions’ Music Video) - Death Cab for Cutie

    Death Cab For Cutie の名盤「PLANS」より、 Different Names for the Same Thing。 デスキャブとの最初の出会いは、御多分に洩れず「COOKIE SCENE」なんだけど、最初に聴いた曲は「The New Year」で、当時はそんなに刺さらなかったんだよね。 その出会いから数年後、仕事の出張でメルボルンにいたとき。初めての一人海外出張で、言葉も思うように通じず仕事がなかなかうまくいかず、休日は友達もいなく引きこもりがちだったのを、なんとか鼓舞して街に出かけてCDショップに入って、そこで買ったのがこの「PLANS」。(と、ベルセバのLife Pursuitも買った。) このPLANSの、アルバム全体通した切ないながらも寄り添ってくるような楽曲たちが、異国で過ごす孤独な夜にとてもピッタリで、滞在中にヘビロテしまくっていた。自分の人生の中で大切な一枚。 その中の3曲目、この「Different Names for the Same Thing」という特徴的なタイトルの楽曲の内容は、 一人、あてもなく列車に揺られている。ポケットには時代遅れの地図がくしゃくしゃになって入ってるけど、どこへ向かおうが構わない。だってどの場所も、「同じ場所」に付けられた違う名前でしかないから。海が太陽を飲み込んで、海岸線が闇に消える。誰かと分かち合おうにも、この国の言葉を自分は何ひとつ知らない。言語の壁を静かに呪う——そして「同じもの」に付けられた、たくさんの違う名前のことを思う。というような、異国を一人旅する人間の感情の吐露。 歌詞の意味を後から知って、当時の自分の境遇にまさにぴったりだったことにびっくり。

  8. Beautiful Change - Innocence Mission

    1986年にペンシルベニア州ランカスターで結成されたThe Innocence Mission。 このバンドとの出会いもまたしてもCOOKIE SCENEで、雑誌付録CDで出会った曲は「Tomorrow on the Runway」という曲。 2003年、社会人になって一人暮らしを始めたばかりの当時、夜はやっぱりなんか少し寂しかったりで、そんな時にこの「Tomorrow on the Runway」が流れてきた時に、あまりにも神曲で一耳惚れし、これが収録されているアルバム「Befriended」をすぐに購入。その中で大好きになった一曲「Beautiful Change」。 ベッドに座ってじっくり聴いて、切なさに浸る時間がなんか好きだったな。笑 心の平穏を見つけにいこう、いつだって自分は変われる。どの日にも、美しい変化は起こりうる。まだ何者でもない社会人1年目、本当にやりたいことが何かもわからず、ただもがいてただけの時期に、優しく手を差し伸べてくれたような、そんな一曲。

  9. Vote - The Submarines

    もうここまでくると同時どれだけ自分がCOOKIE SCENEに影響されてたかっていう話なんだけど、このサブマリンズとの最初の出会いもこの雑誌です。付録CDで出会った曲は「Peace and Hate」で、もちろん一耳惚れしたんだけど、曲よりもインタビュー記事で読んだ内容のインパクトが結構大きかったんだよなあ。 The Submarinesは夫婦ユニットなんだけど、このアルバムは二人の関係が破局に向かってる時に作った関係の精算?的なアルバムだったのが、これを作る過程で復縁しているという・・😂 アルバムのタイトル「Declare a New State」=国家樹立宣言は、「二人の破局と復縁を国家になぞらえる」という、割とぶっ飛んだコンセプト。 そしてこのVote(=投票)は、破局ソングを選挙のメタファーで書く・・という中々の変化球。 希望がないと言ってるわけじゃない。あなたは私の考えを変えようとしてくれた。でも、私たちのシステムが壊れてることは、二人ともわかってる。だから私は——もう二度と投票しない。 聴こえてくる歌詞の節々から、失恋破局ソングというのは分かっていたので、当時失恋で苦しかった自分としては共感できる部分があって曲も良くて聴いてたけど、聴きながら、「でもこの人たちはまた結ばれたんだよな・・?惚気か??」みたいに謎に嫉妬心も煽られたり色んな感情を揺さぶられながら聴いてた思い出の一曲・・😌

  10. Stay by my side [Official Music Video] - Swinging Popsicle

    CLASSICに続き三部作2度目の登場となる、大好きなバンドSwinging Popsicle。 元々YoutubeでオフィシャルのMVがほぼない中で、奇跡的にこの曲のMVがあって感動・・・😭 しかもこれイギリスかな。海外ロケ! 内容的には恋愛ソング的な歌詞だけど、MV見ると、このバンドの仲良し感が伝わってきて、友人に送る歌としても聴けるなあ、と思いました。 Swinging Popsicle、曲も本当に良いしボーカル藤島美音子の歌もめちゃくちゃ上手いし、一時期メジャーデビューもしてもっと人気出てもおかしくないのに・・!とファン的には思ってた時期もあったけど、何かのインタビューで、音楽で繋がっている関係でよくも悪くもさっぱりしていて、自分たちのペースでやってきたのが長く続いている秘訣、みたいなインタビュー記事を読んで、それを読んだ上でこのMV見ると、なんかとても納得感。 日本での知名度が決してそこまで高くないとしても、世界中にファンがいて海外のフェスに出たりもしてて、バンドとしては30年近く、メンバーの入れ替えや脱退もなく、変わらない3人で、自分たちの無理ないペースで素敵な音楽を届け続けてくれている、そんなバンドなかなかないなと。

  11. Vicious Circle - Vasallo Crab 75

    Swinging Popsicleや、GOMES THE HITMAN、advantage Lucy、雑誌で言うとMARQUEE(まだアイドル雑誌ではなかった頃)の常連メンバー的な、ネオアコ・ギターポップ周りのバンドたちが当時好きだったわけですが、このVasallo Crab 75もその流れで名前は聴いたことあったんだけど、初めてちゃんと曲を聴いたのが、これまたCOOKIE SCENEの付録CDだったわけです。 それがこの曲、Vicious Circle。 色々な曲を聴いてきた中で、この曲は自分史上、屈指のイントロのメロディの美しさだと思う・・。 本当の意味で一耳惚れ、初見で衝撃的に好きになった曲。 この名曲、サブスクにあるのはちょっと違うバージョンで、結構印象が違う。 このYoutubeに上がってるバージョンは、2004年のオリジナルアルバム「breathe」に収録。

  12. Sink or Swim - The Delgados

    1994年に結成したUKスコットランド・グラスゴーのバンドThe Delgados。 2004年に解散してしまったが、解散の年に出たラストアルバム「Universal Audio」からの一曲、「Sink or Swim」。 彼らが自分たちのリリースのために立ち上げたインディレーベル「Chemikal Underground」は、のちに同郷グラスゴーからMogwai や Arab Strapを輩出。 「Sink or Swim」は、文字通り沈むか、泳ぐか、の意味ではなく、メタファー的なものと思って聴いてはいたけど、改めて調べたら英語の慣用句で「一か八か」的な、二者択一の厳しい状況を示す言葉らしい。 サビの Are you gonna sink or swim?(沈むの?泳ぐの?Are you gonna lose or win? (負けるの?勝つの? のところ、何か覚悟を問われてるようで、歌詞の世界観とはおそらく違うんだけど、個人的には背中を押されてるような気持ちになって、この卒制の後に、会社を辞めて無謀にもデザイナーを目指すかどうかの迷いを断ち切れそうな気がして、このコンピに入れました。 そしてこの卒制から19年経った今現在、色々とありながらも楽しくデザイナーとして仕事をしているわけで、そう言う意味では沈まずに泳ぐ方を選んでよかったな、と当時の不安だった自分に教えてあげたくなりました。☺️

  13. First and Last - Farrah

    1998年結成のUKのパワーポップバンドFarrah、デビューから2年でグラストンベリー出たり、2005年には日本のNANO-MUGEN FESにも出演したり日本ツアーもしたりで、結構話題性のあるバンドだったんだけど、2009年頃を最後に、明確な活動休止や解散のアナウンスもないまま、新しい情報を聞かなくなってしまった・・と思って久々に調べたら、バンドしては一応存続、フロントマンのJezはソロでのリリースもしているらしい。 彼らの活動全盛期、2004年リリースの「ME TOO」より「First and Last」。 パワフルなロックナンバーが多いこのアルバムの中では、バラードに近い楽曲。 First and Last、文字通りの「最初で最後の人」、ということで、運命の人に巡り会えた的な、愛しいパートナーへ送る愛の賛辞的な歌だと解釈していて、この卒制から5年後くらいの自分の結婚式で流したプレイリストにも使ったんだけど・・、今回、これを書くにあたって改めて歌詞の意味見てみたら、思いっきり失恋ソングだった・・😇 ----- 君は、浜辺から引いていく潮みたいに去った。跡ひとつ残さず、完璧に、もう手の届かないところへ。夜、暗闇に横たわって、君なしの自分の弱さを噛みしめる。君は最初に手を放した人で、最後に本心を教えてくれた人だった僕らのことを問い詰めるのは、もうやめた。でも、僕らの歴史を手放す心の準備は、まだ整えている途中だ 「最初で最後の恋」を失った男の、強がりまじりの経過報告。 愛の賛辞の歌と思いながらもどこかしか感じていた切なさの原因がやっと分かってスッキリしました。笑

  14. I Could Have Saved You - Jen Wood

    アメリカはシアトル出身のアーティスト、Jen Wood。 1992年より、オルタナティブバンドTattle Taleのメンバーとして活動、96年よりソロ活動。 この曲が収録されている、彼女自身の名前を冠したEP「Jen Wood」は、日本限定リリースだったらしい。 このEPをリリースした2004年、日本全国7公演のツアー実施。当時キャッチアップできてなかった、行きたかったなあ。 落ち込んでいるときは 話しかけてあなたの瞳を 輝かせてあげるからまるで天国のように 輝いていた場所へあなたは天国にいる ゆっくり目な歌唱で、自分程度の英語力でも明確に聞き取れる「You are in heaven」のフレーズ、そのまま解釈すれば亡くなった大切な誰かに向けたメッセージなんだろうなと。 痛切な歌詞が、癒しと切なさを内包したシンプルながらも美しいメロディと儚げなボーカルに乗せられて歌われるこの一曲、初見で一気に世界観に引き込まれました。

  15. Proof - I Am Kloot

    1999年にマンチェスターで結成されたUKロックバンド、I AM KLOOT。 このバンドとの出会いは、2001年、不定期発行のカルチャー雑誌「米国音楽」。 そこで、WE LOVE YOUという、新しいUKのインディレーベルが紹介されていて。 そのレーベルのスターティングコンピレーションアルバムのジャケットが例のBANKSYで、同じ誌面でBANKSY特集もあったのを覚えている。 今でこそ、日本でも多くの人が知るくらいの知名度のBANKSYだけど、当時2001年、おそらく日本で一番最初にBANKSYを取り上げた雑誌だったかなと思う。 それこそ、かの有名な「Flower Thrower(花束を投げる男)」のイラストがジャケットになっています。 このBANKSYのイラストや、記事で紹介されていたレーベルの世界観に魅了され、どんな曲かもわからないままワクワクしながらこのアルバムをAmazonでポチっと購入し、届いたCDをワクワクしながらかけて一曲目に流れてきたのが、I AM KLOOTの「TO YOU」。この曲を初めて聴いた時の衝撃は、うまく言葉に表せない。 一耳惚れした、ということ自体は間違いないんだけど、シンプルに曲がいい、とかいうよりは、なんというか、コード進行的には短調というか暗く重い感じなんだけど、そこに乗っかるボーカルも独特で、気怠いようで美しい、酔っ払いのおっさんが歌ってるように聞こえたと思ったら急に美しい声に思えたり、そして何よりサビのフレーズ Will someone somewhere marry me(誰か、どこかの誰か、私と結婚してくれないか?)のインパクトがものすごく、ガツンと持っていかれた一曲でした。 そんなI AM KLOOTの、バンド名を冠したセルフタイトルのセカンドアルバム「I AM KLOOT」に収録されているこの曲、「Proof」。 切なくも美しいメロディに乗せて歌われる「without you」が聞き取れていたので、あなたなしではダメなんだ、という前向きな愛のメッセージだと当時は受け取っていました。 一つ前のJen Woodで終わらせるのもこのコンピとしてはアリだったんだけど、同じ「あなたがいない」を歌っていても、Jen Woodのそれが閉じていく喪失なら、Proofは「君なしじゃ僕は僕でいられない」——まだ相手がいる場所から歌われる言葉。喪失の一歩手前の、ギリギリ前向きな地点で、湿っぽくなりすぎずやさしい気持ちでこのコンピを締めたいなと思い、最後にこれを入れました。 そしてあまりに特徴的なこのMusic Video。俳優のChristopher Ecclestonが、ワンカット、無言でただカメラを見つめ続けて、曲の進行とともに涙目からゆっくり笑顔に変わっていくだけの映像。Proofの歌詞の全体像を今回改めて調べてみたときに、この映像の意味もわかり、色々としっくりときました。 ねえ、もう一杯くらいいけるだろ?考え事をしてない時の方が、僕はマシな人間なんだ。それでどうにか乗り切れてる気がする。で、どうする、もうひとつ調子のいい台詞でも回してみるかい——まるで僕らに楽しい時間があった、みたいなやつを。別に、証拠が欲しいわけじゃないけど。結構なご身分だよ、僕らはホテル暮らし。誰かが部屋のベルを鳴らしてる。眺めのない部屋で。ねえ、君がまた別の本を読んでるって聞いたよ。僕ももう一度、ちゃんと見てみるべきかな。——僕は誰なんだ。君がいなかったら。バーカウンターの与太話みたいな軽口(一杯どう?考えない方がいい男なんだ、俺)でヘラヘラ始まって、口説き文句だの証拠だの茶化して、ホテルの部屋の侘しさをスケッチして——最後の最後、酔いの底からぽろっと本音が一行だけ落ちる。「Who am I without you」。 歌詞の「強がりの底の本音」を、台詞ゼロの表情だけでやってる名作MV。瞬きが少ないの凄いなと・・😳